人類は如何に神々として滅びるか

『自己が無視されることを無視するという彼等の英雄主義』

最近読んだギリシア本いろいろ(一冊目) 『ギリシャ神話集(ヒューギヌス)』とアイギストスの息子

 最近読んだ古代ギリシア関連本への感想という名のメモ程度のブログエントリ。

 

・ギリシャ神話集(ヒューギヌス)

ギリシャ神話集 (講談社学術文庫)

ギリシャ神話集 (講談社学術文庫)

 

 

 ヒューギヌスさんが書いたギリシャ神話集です。アポロドロースさんが書いたギリシア神話 (岩波文庫)とはまた別物。

 神話集と言われて受けるイメージとはちょっと違って、ギリシア神話ポケット事典といったおもむき。後述するギリシア・ローマ神話辞典にちょっとだけ感じが似てるかな。もちろん、そこまでちゃんと辞典じゃない。

 例えば「イーノー」とか「アルクメーネー」とか「タンタロス」とか、一人物ごとに項目をつくって説明していたり、「招集されたアルゴー船隊員」とか「レームノス島の女たち」のようにある集団として紹介されていたりする。中には「誰がどの著名戦士をたおしたか」とか「犬に食い殺された男たち」とか「誰がどの都市を建設したか」とかいうシリーズ物(?)もある。

 はじめから順番に読んでいかなくても、気になる項目を気ままに読むのがよいような気がする。

 

 個人的に発見だったのは、アイギストスに、あのアイギストスに息子がいた(一説によればということだろうが)という事実だ。

 アイギストスについてはWikipedeia大先生アイギストス - Wikipediaもしくは

 の記事を参考にしてもらうとして、私はアイギストスに息子がいるとは知らなかったので、上のエントリか、もしくは別のエントリで、『もしもアイギストスに息子がいたならば、彼がオレステースを殺害し、復讐の連鎖は継続され、呪われた一族はその血塗られた歴史に、さらにまた新しい血を加えたであろう』的なことを書いてしまっていたのだがw いたんだな、アイギストスに息子が。

 これは該当部分を引用させてもらおう。ある時、エーレクトラーのもとにオレステース死去という偽報が届く。

アイギストスの息子アレーテースは、アトレウスの血をひく男子が一人もいなくなったことを知って、ミュケーナイの覇権を狙いだした。

(略 エーレクトラーがオレステースを伴いもどってくる)

オレステースはアイギストスの息子アレーテースを殺し、さらに、クリュタイムネーストレーとアイギストスの間に生まれた娘エーリゴネーをも殺そうとした。しかしアルテミスがこの娘をさらい、アッティカの地で巫女にした。

  アイギストスに息子がいた! と思った途端に殺されていた。しかも、オレステースに。殺さなければおかしいオレステースに、逆に殺されるとは……。もう、その時点で残念過ぎる。しかし、さらに娘までいたとか! しかもその娘は、アイギストスとクリュタイムネーストラーとの間に生まれた不義の子だという、ってことは、アレーテースの母親は、クリュタイムネーストラーではないらしいと分かる。しかしこれ以上のことは分からない。

 

 話はちょっとそれるが、アレーテースと殺して、エーリゴネーまで殺そうとした(エーリゴネーを殺す理由がどこにある?)オレステースは、一説によれば、ネオプトレモス(アキレウスの息子)を殺して妻を奪うというアイギストスめいたことをやってるし、(もしくは、オレステースはアレーテースを殺したあと、エーリゴネーを犯して子を産ませている)さらにはタウロス人の王トアースを殺し、またヘレネーをも殺したという。

 これもう完全にシリアルキラーだろ。殺しが癖になっている。アテーナイの裁判で有罪になるべきだったんじゃないの。

 

 話を元にもどしてアレーテースのことだが、あまり情報がないっぽい。英字版のWikipedeiaでは、Aletes (son of Aegisthus) - Wikipediaアレーテースもアイギストスとクリュタイムネーストラーの子となっているけど出典はこのヒューギヌスの神話集しかない。ということは和訳のニュアンスで、アレーテースとエーリゴネーの母親が違うように読めるだけなのか?

 

 話が完全にアイギストスに振れたところで、一冊分が長くなりすぎたので、エントリを分けることにします。

 

ドロテア

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