人類は如何に神々として滅びるか

『自己が無視されることを無視するという彼等の英雄主義』

読み物

アフォリズム

【父親が多すぎる】 普通息子は一人の父親をもつ。たいていは、その一人を殺せば満足するのである。けれども彼は業が深くて、もしくは自身を見積もりすぎているために、いくら殺しても殺してもあきたりないのだ。彼には父親が多すぎる。 【確かに非常識】 彼…

私は私の偏見を抱きしめていたい

偏見を攻撃する言葉が往々にして偏見に満ちているのは、たとえどのような彼、彼女であっても、考えられうる限り完璧な人間でも、それが神であっても、完全に偏見からのがれることなど不可能だからである。 可能であるとすれば何も考えないことである。頭に浮…

「『人生は理屈だ』と言ってやれ」と彼は言ったのだ

ぼくは理屈っぽい。世の中には、ぼくより理屈っぽい人間もある程度いるのかもしれない、いることだろう。そうであっても、ぼくは結構、理屈っぽい部類に入ると思う。相当。かなり。かなり相当。ぼくは理屈っぽい。 しかし、理屈っぽい人間は嫌われる。 たと…

木村太郎は、昔から木村太郎だった

アメリカ大統領選の予想を的中させて、木村太郎が株をあげている。 大穴だ。2分の1の確率だが、トランプ勝利を予想した予想家はほとんどいなかったのだから、倍率はかなり開いていた。一人勝ちである。 木村太郎氏は、予備選の段階から独自の取材と分析に…

アメリカ大統領選の本当の敗者は? 隠された争点としての「メディアと政治的正しさ」

日本国内でこれまで報道されてきた「トランプ旋風」の中身と要因は、「強いアメリカ、偉大なアメリカを取り戻す」というスローガンと、既存の政治、政治家への失望と怒りといったものばかりだった。 しかし、選挙直前の当選予想と、選挙結果の乖離からみて、…

「新しい文学」に逆らって

時代は「新しい」ものを求めている。誰も彼もが、「新しい」人を、技術を、思想を、組織団体を、政治を、社会を、求めている。今さら生み出されるものの中で、「新しく」ないものに何の意味が、何の価値があろうかというわけである。 文学といわれるものでも…

人類は如何に神々として滅びるか

神話、とよばれるものは、文明の黎明期に誕生する。神話が語る主なものの一つは、世界の始まりについてである。どうして、どうやって、海は生まれ、山が隆起し、大地は豊かに実り、われわれはここに在ることとなったのか。神話は、万物の誕生を、始原を語る。…

「我らにとってかくも理想的な未来」という悪夢──『すばらしい新世界』

ディストピア小説、それも超有名なディストピア小説である。 この小説のなにが一体おそろしいのか。たとえば同じディストピア小説の『1984年』とくらべてみて、どういう風におそろしいのか。『1984年』が描く管理社会もまたおそろしい世界である。しかし共産…

水素水はもう古い!? この夏は液体酸化水素(HOH)でさらに健康な体を手に入れる!

あなたはもう水素水はおためしになっただろうか? そう、今話題沸騰中の、あの水素水のことだ。はてな界隈でも水素水関連の記事はブクマ数(ということはPVも)が多く、したがって話題の記事がたくさんある。 とはいえ、この水素水フィーバーに乗り遅れて…

青空に落ちるということ、もしくは、いかにして私は遠足で高所恐怖症になったか

学校行事で遠足というものがあったのは小学校までだったと思う。年に二回、都合十二回ほどは行ったのではないかと思うのだが、さほど記憶に残っていない。 おぼえている断片の一つは、小学一年生の時にはじめて行った遠足のことで、男の子は六年生のお姉さん…

村上春樹を一冊しか読んだことのない私が、村上春樹全体を論評するという暴挙に出る

はじめに 数年前に村上春樹を一冊読んだ。読んでいろいろ思うことがあったが、村上春樹は、きっとアイロニー的ロマンスの様式に属する作家だ、と思いついたのは、われながら悪くない考えだと思った。それで、これから村上春樹(ほぼ)全作品を読み、「今さら…

もしも次の参院選で20代(18歳以上含)、30代の過半数が「白票」を投じたら?──「失望」を伝えるという選択肢

前置き 「選挙に興味がない若者は、次の選挙で「白票」を投じればいい」というタイトルでブログを書こうと思っていたら、すでに2014年時点でこういうサイトができていた。 黙ってないで、NO!と言おう。| 日本未来ネットワーク このサイトや「白票」を投じる…

ジブリの宮崎アニメに頻出するバルス「的」なるものについて

ずいぶん前のことになるが、TVで大島渚が、スピルバーグについて「彼はずっと巨大な何かに追いかけられるという物語を撮っている。デビューしてからずっとだ」という意味のことを、まるで誰かを叱りつけるような口調で言っていた。 僕は子供心になるほど確…

バカは「難しいことを簡単に教えられるのが頭の良い人間だ」と考える

われわれ選ばれたる民であるところの大多数のバカは、一般的に、「難問」ということについて、こういうぐあいに考えている。 難しいことを簡単に話せるのが、頭のいい人間だ。 と。 しかし、われわれは頭が悪い、その上教養のないバカなのであるから、本当に…

たまごかけご飯の理想的な食べ方

「B級グルメ」という言葉がいつの頃からか人口に膾炙した。おおよそ、ファース トフード、コンビニ商品、インスタント食品、ファミレス、屋台といったあたりの食べ物を含んで使われているらしい。 比較的安価な現代日本の庶民の食べ物といった定義で大きな…

唐沢寿明のキャリアに傷をつけたキャシャーンを許さない

今ははっきりと凋落していることを自他共に認めるフジテレビだが、まだ十年前くらいなら、いい仕事だなと思えるものが個人的にはあった。はじまったばかりの頃のノイタミナ枠とか(今はどうだか知らない)、まあ僕の場合はほぼ「墓場鬼太郎」の評価(という…

女は、恋人が自分にふさわしくないかもしれないと青ざめ、男は、自分が恋人にふさわしくないかもしれないと青ざめる

人は、ときに愚かで、ときに美しい。 もしくは、ときには愚かしいにもかかわらず、なおかつ同時に美しい。 こういう考え方に、説得力を与えてくれるような人間の営みの一つは、明らかに「恋愛」と一口によばれるものの諸相だろう。 記事のタイトルは、書籍か…

生に寄せる祈り──ニーチェを袖にした美女がものした傑作詩

「生に寄せる祈り」 作:ルゥ・アンドレアス・ザローメ たしかにそれは友が友を愛するようなものだ 謎めける生よ、私がお前を愛するのは たとえ私がお前の中で歓喜に酔いしれたとしても、はた又涙にかきくれたとしても 又お前の私に与えたものが苦しみであっ…

ゲーム三日坊主……ココロ折れるアンコール、それはRESET RESET RESET

私はオタクではない。 しかしゲームをやらないではない。ゲームが好きか嫌いかと聞かれれば、ぽっと頬を赤らめ、もじもじしながら、言いだしづらそうに、ぼそっとした小声で「好きです」と囁きもしよう。 しからば、なにゆえゲーマーともゲームオタクともと…

最近なにかとAIが話題だから、きっとAIを素材にしたSF小説とかが増えるんだろう

マイクロソフトのAIが「政治的正しさ」に真っ正面から喧嘩をふっかけ、その上陰謀論に荷担したり、アルファ碁が世界ランク2位の囲碁棋士相手に「なんで負けたのか理解不能」と囲碁棋士達に言わせる圧倒的な力を見せつけて勝ったり(正確には5戦して1-…

虫嫌い

虫嫌い 幼い頃自分は虫というものが平気だった。ダンゴ虫という奇妙な多足生物にかなり親しんでいたように思う。岩の陰や茂みの奥のようにじめじめと湿った場所に潜んでいるそれは、手を触れるとくるりと背中を丸めてだんごのようになってしまう。自分はそれ…